但馬牛(たじまうし)の起源
昔から兵庫県の北部に位置する但馬地方の山あいで、澄み切った空気、清らかな渓流、豊富な山野草など
恵まれた自然環境にはぐくまれながら、長い歳月をかけ、多くの人々の努力により、
改良に改良を重ねた結果、優れた資質を誇る肉用牛として創り出されたのが、但馬牛(たじまうし)です。
優良な品種を維持するために、他の地域の血統と混じらないように管理し、
現在も但馬牛(たじまうし)の純血が守られています。
但馬牛(たじまうし)は、今は高級牛肉の素牛(もとうし)として有名ですが、
昔は田畑を耕したり荷物を運んだりする役牛(えきぎゅう)として人間の手伝いをしていました。
平安時代には京都などで牛車を引いて活躍し、安土桃山時代には大阪城の築城に一役かったと言われています。
但馬牛(たじまうし)のブランドについて
但馬牛(たじまうし)からとれる牛肉のブランドには、
神戸ビーフ、但馬牛(たじまぎゅう)、三田牛などがあります。
これらうち、神戸牛および但馬牛(たじまぎゅう)は、
「神戸肉流通推進協議会」の基準を満たした牛肉のみが
許される呼称になります。
なお、神戸肉流通推進協議会が定める但馬牛は、
以下の条件になっています。
兵庫県産(但馬牛)および神戸肉・神戸ビーフの規約 第20条
兵庫県産(但馬牛)の定義
「兵庫県産(但馬牛)」とは、本県の県有種雄牛のみを歴代に亘り交配した本県内で生まれ育成された但馬牛を素牛とし、肉牛として出荷するまで当協議会の登録会員(生産者)が本県内で肥育し、本県内の食肉センターに出荷した生後28カ月齢以上から60カ月齢以下の牛で、歩留等級が「A」「B」等級とする。
但馬牛の特長
但馬牛が知られるようになった平安時代から、
極上肉牛のルーツとなっている現在の但馬牛まで、
優れた肉質と良い資質を受け継いでいく強力な遺伝力は変わることなく、
さらに改良を進めて肉質の向上や血統の確立に取り組まれています。
但馬牛は、肉質や肉色の良さは言うまでもなく、サシがきめ細かく入り、
皮下脂肪が少なく肉の歩留まりも良いなど、
肉牛として高い水準を維持しているのはもちろん、
その力強い遺伝力によって国内の肉用牛を改良するためにも使われています。
また、高級牛肉のブランド化や素牛として大きな貢献を果たし、揺るぎない地位を築いています。